【書評】『走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー』(みやすのんき著、実業之日本社)にマラソン練習方法を学ぶ

書評

 

目次

2021年に2つの大会にエントリーしたものの

2021年に入ってから、一度今の走力を試してみたいと思い、2月6日(土)の東京30K冬大会、3月27日(土)の葛飾あらかわ水辺公園トライアルマラソンにエントリーしていた。エントリーしてからほどなくして、緊急事態宣言が発出されたので、開催は危ういだろうと思っていた。そんな予想は見事的中し、東京30K冬大会は3月28日(日)に延期された。トライアルマラソンはまだどうなるかわからないが、※緊急事態宣言の期間によっては参加できない可能性が出てきた。

※2月1日に公式サイト上に開催日の2週間前以降に、居住地に政府・自治体からの緊急事態宣言が発出されている場合は参加をご辞退くださいとの案内が掲出されていた。

 

次参加する大会でサブ3.5を達成するために

3月27日(土)のトライアルマラソンがどうなるか今のところはわからないが、もし中止や参加できなくなった場合を見据えて、今のうちに練習方法を見直すことにした。これまでの練習は自己流で、おもに速く走る練習と長く走る練習を中心に取り組んできた。自己流の割には効果を感じていて、日々走りが良くなっている実感はあった。ただ、負荷が高いのか足に違和感をおぼえることも多くなってきた。ひょっとしたら練習方法を見直した方がいいのかもしれないと思い、ふたたび『走れ!マンガ家ひぃこらサブスリー』(みやすのんき著、実業之日本社)を読んでみることにした。

 

マラソンの練習方法はすでに確立されている

このみやすのんき氏の本は実は練習方法についても詳しく書かれている。前回はランニングフォームを勉強することがメインだったので、練習方法について書かれた箇所は読み飛ばしていた。しかし、改めて読んでみると今までの練習方法に足りなかったものが見えてきた。みやす氏は「マラソンの練習方法はずいぶん前から確立されている」とし、「ジャック・ダニエルズの指標計算を元に最大酸素摂取量、乳酸性作業閾値、ランニングエコノミーを期分けして走力を上げる。」のが良いとしている。これまでは負荷をかけて走ればその分成長すると思っていたが、まずは自分の目標タイムからVDOTを計算し、その数値から導き出されたペースで練習し、マラソンに必要なさまざまな能力を鍛える必要があったのである。マラソンに必要な能力を鍛える練習はおもに4つある。それはイージーペース走(Eペース)、閾値走(Tペース)、インターバル走(Iペース)、レペテーション走(Rペース)である。

 

一番大事なのはEペース走

Eペース走とは最大心拍数の65〜80%で走るいわゆるジョグである。このEペース走は耐着地衝撃、心筋発達、毛細血管発達を目的としたいわばマラソンの基礎づくりにあたるものである。私が目指すサブ3.5レベルにおけるEペース走は5:46/kmとそこまで速くないが、速く走るための土台を作るために必要な練習であり、全体の練習量の70〜80%はこのEペース走にするのが良いとされている。そのうえで、最大酸素摂取量の向上ためのIペース走(練習量の8%)、乳酸性作業閾値を刺激する(楽に走れるレベルを上げる)閾値走(練習量の10%)、スピードとランニングエコノミーを刺激するRペース走(練習量の5%)などを取り入れ、走力の向上を図るのである。

 

Eペース中心の練習は意外だが納得感もある

マラソンでサブ3.5やサブ3などの記録を狙うためにはキツいトレーニングが必要だと思っていた。なのでこれまでのジョグはサブ3.5のレースペースに近い5:00/kmで走っていた。そのうえでインターバル走やロング走を取り入れて走力の向上を目指してきた。ただ、キツい練習ばかりを続けていると疲れがたまったり、足に違和感をおぼえたりすることが多くなった。そうして走ることが億劫になり、疲れがたまった足で練習しても設定ペースで走れず、モチベーションを保つのが難しくなった。キツい練習は必要だけども、それ以上にキツい練習をきちんとこなすために疲れを残さない練習というのも必要であることに気づいた。Eペースという基礎を作る練習なしにはその先には進めないのである。

 

この時期に走りを見直したい人におすすめ

今の時期はマラソン大会がなく、なんとなく走り続けているランナーも多いと思う。でもそんな時期はランニングフォームや練習内容を見直すチャンスでもある。練習内容を変えるのは簡単ではあるが、フォームの改善はなかなか時間がかかる。次のレースで飛躍できるよう、レースがない今の時期にじっくりと時間をかけてフォーム改善に取り組んでみるのも良いと思う。サブ3.5やサブ3を目指している中級者以上にとっては本書内容は当たり前のことだと思う人もいるかもしれない。その一方で意外と走り方も練習も自己流という人も実は多いと思う。そんな人はぜひ本書を読んでフォームや練習について知識を深めてみてはどうだろうか。体の動かし方、練習の仕方で参考になることは多いと思う。

 

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